山形県の行事で、「山形百名山トレッキングと名湯満喫ツアー」というのがありまして、1泊2日バスツアーが5000円という格安なんです。これは、毎年やってるわけではなく、2022年に「山の日全国大会」が山形で行われるため、その機運を高めようという行事です。(残念ながら2020年の全国大会は延期になり、その影響で山形開催も1年遅れるという話。)申し込み者が多い場合は抽選になるとのことで、「どうせ当たらんだろ。いいよいいよ。」と半ば諦めながら申し込んだら、なんと当たってしまいました。(一生の運をここで使い果たしたかもしれぬ。)

9月19日(ツアー初日)

 午前6時、山形市内の集合場所をバスで出発。感染対策で「一人参加」の人は2席を独占します。ご夫婦の場合は詰めて座るので、一人参加者に若干のアドバンテージがあります。

 7時に「道の駅米沢」に到着。ここで置賜地区(山形の南側)の参加者が合流し、いよいよ天元台に向かいます。
 天元台では全体で記念撮影をしたら、グループごとに別れてロープウエイに乗車。ロープウエイ内も密にならないように、ゆったり乗り込みます。ロープウエイを降りたらお弁当をもらって、リフトを3本乗り継いで北望台まで一気に高度を上げます。すでに1800mを超えているので、山頂までは残り200m。さすがに「日本百名山で楽に登れるベストテン」と言われるだけのことはあります。(でも、途中に急な岩場もあるので、甘く見てはいけません。転倒による骨折者も出てますし。)

 メンバーは、一人参加の女性が2人、男性が2人(含む自分)、夫婦1組、それにガイドさんという7人構成です。比較的年齢は高めの構成なので、ぶっちぎられる恐れはなさそう。
 やや霧雨で見通しが悪い中、レインウエアを着て出発。最初だけやや急な登りがあるものの、特に問題なくカモシカ展望台を通過。しばらくは大凹という平坦地まで下り、再び登り返して梵天岩まであっという間でした。ここまでおよそ1時間。幸い天気も回復し、気持ち良い涼しさです。

梵天岩から大凹の湿地帯を見下ろす。奥の山は藤十郎。

 梵天岩から再び50mほど登り返して、西吾妻山頂に到着。ここに来るのは2年連続だけど、相変わらず見晴らしは悪い。(もっとも、見晴らしが良くなったらそれは森林がなくなったということですから、このまま見通しが悪い山頂であって欲しいとも思います。)

一応の記念撮影

 今回、このツアーに参加した理由は、山頂の先にある西大嶺まで行くからなのです。自動車を使うソロ登山の場合、縦走して違うところを下るという選択肢はなくなり、コース設定も制限を受けてしまいます。その点、ツアーはいいですね。(しかも5000円だし!)
 同じグループになった皆様はそこそこ山の経験があって、順調に進みます。スタッフは5つのグループにそれぞれガイドが付き、他に添乗スタッフが3人巡回しながらサポートします。さすがに県が主催する行事で事故が起きたら洒落にならないから、なかなか手厚いです。違う班の一人が山頂手前でバテて戻ったという話も聞きましたが、そんな緊急事態にも対応できるのは有り難いことです。

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西太嶺に向かう我がチーム
西大嶺の頂にて。みなさん疲れ気味。
磐梯山、猪苗代湖が見えます。
本日の行程。赤が登り、青が下り(下ってばかりだな)

 西大嶺の山頂までの上りは少々バテましたが、みなさん無事に登頂。雲がやや邪魔なものの、磐梯山、猪苗代湖、秋元湖がしっかり見えました。ここまでくればあとは下るのみ。グランデコスキーリゾートに向かって下山開始。
 しかし、ここまでの登りでかなり足を使ったようで、油断すると膝カックンになりそう。おそるおそる時間をかけてなんとか下山しました。
 下山したポイントにはすでにバスが迎えに来ていて、ここから宿泊地まで約1時間のバス旅。西吾妻スカイラインを通り、白布温泉の「中屋別館不動閣」に到着。こちらは結構な老舗旅館で、普通に泊まれば2食付き1万円を超える宿です。部屋割りは、同じグループのOさんと二人部屋。夕食会場は2カ所に分かれ、各テーブルは同じ部屋の2人で使います。(かなり感染に気をつけているのがわかります。)格安ツアーなのであまり期待もしてませんでしたが、料理も満足できる内容でした。
 夕食後、部屋でグループの男性3人(もう一人は庄内から来ていた夫婦)で、缶ビール2本限定の反省会を執り行い、就寝となりました。

リンク 中屋別館不動閣公式HP

9月20日(ツアー2日目)

みんなで朝の体操

 今日は登山ではなく、ちょっとした散策になります。グループは昨日と同じ6人。なるべくメンバーを固定し、感染者が出ても被害を最小限に食い止める作戦でしょう。こちらも同じメンバーだと気持ちも楽ですから、WinWinの関係と言えましょう。
 ロープウエイで天元台まで登り、ここから「明道の滝」まで片道30分程度のお散歩。傾斜もなく、ガイドさんの話を聞きながらのお気楽なものです。途中、ガイドさんの説明が長すぎてスタッフから「もうちょっと急ぎましょう」と囁かれていたのがご愛敬。昔は硫黄鉱山があって、かなりの人がここに住んでいて、学校もあったとか。環境保護のために硫黄の残土を埋め込んだとか、興味深い話も聞けて、これはこれで楽しいものでした。
 最後は「アルブ天元台」で豚肉の当番焼きランチをいただき、無事バスで山形に戻ってきました。

ウメバチ草・・かな
明道の滝まで来ました
こちらは雲の合間から、ちょっと見えただけ
本日の行程、総距離なんと3キロちょっと

 倍率3倍を超える難関を突破して参加できた今回のツアー。バス送迎にロープウエイやリフト料金、ガイド、そして温泉旅館までついて5000円という超格安ツアーでしたが、なかなか充実した良い経験になりました。同じグループだったみなさんとは連絡を取り合える関係になれたので、いつかまた一緒に登る日が来るかもしれません。

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